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オンライン診療における初診の流れを紹介

初診からオンライン診療を利用したいと考える患者は一定数いるため、医療機関は適切に対応する必要があります。

担当者のなかには、「オンライン診療における初診の流れについて知りたい」と考えている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、オンライン診療の初診の流れと導入手順について解説します。

※この記事は、2023年5月25日時点の情報を元に記載しています。


目次[非表示]

  1. 1.オンライン診療における初診の流れ
    1. 1.1.①オンライン診療はかかりつけ医が行うことが原則
    2. 1.2.②最低限遵守する事項
    3. 1.3.③患者合意
    4. 1.4.④診療計画の説明
    5. 1.5.⑤本人確認
    6. 1.6.⑥薬剤処方
    7. 1.7.⑦診察方法
  2. 2.オンライン診療の導入手順
    1. 2.1.①オンライン診療システムを購入する
    2. 2.2.②通信機器の整備を行う
    3. 2.3.③地方厚生局へ届出を提出する
    4. 2.4.④患者と診療計画書を作成する
    5. 2.5.⑤患者へシステムの案内をする
  3. 3.まとめ


オンライン診療における初診の流れ

オンライン診療における初診の流れは、厚生労働省より発出され、2023年3月に改訂が行われた『オンライン診療の適切な実施に関する指針 P12』で示されています。ここでは、オンライン診療における初診の流れを解説します。

①オンライン診療はかかりつけ医が行うことが原則

オンライン診療における初診については、原則としてかかりつけ医が行うことになっています。

しかし、患者によってはかかりつけ医がオンライン診療を行っていない、または希望する日時に対応できないなどの理由で、他院のオンライン診療を受診するケースが想定されます。

このような場合は、他院の既往歴や服薬歴、アレルギー歴など、問診・視診を補完できるほどの医学的情報が得られる場合は、かかりつけ医ではない医師でも初診からオンライン診療を実施することが可能です。

②最低限遵守する事項

対面診療と同等でないにしても、これに代替し得る程度の患者の心身状態に関する情報をオンライン診療より得る必要があります。

オンライン診療の実施の可否を判断する際は、オンライン診療が安全に行えることを確認しておくことが重要です。

一般社団法人日本医学会連合が作成した『オンライン診療の初診に適さない症状』等を踏まえ、オンライン診療が困難と医師が判断した場合は、対面診療を実施することが求められます。

なお、緊急性が高いと判断される症状の場合は、速やかに対面診療を促すことに留意しておかなければなりません。

③患者合意

初診からオンライン診療を実施する場合は、まず患者との合意形成が必要です。

オンライン診療では、患者から医師に対して心身状態に関する情報を伝えるため、信頼関係の構築が必要になります。

合意を得る際は、医師と患者の間にある医学的知識の差を考慮し、オンライン診療のメリットや受診することで発生する可能性があるデメリットについての説明を、徹底して行わなければなりません。

オンライン診療実施の可否や医学的判断は、患者の合意を得たうえで行われることが望ましいです。

オンライン診療は、医療機関や医師の都合によって行われるものではなく、患者の希望があって初めて成立するというのが基本的な考え方です。

④診療計画の説明

オンライン診療を実施する前は、患者に対して診療計画の説明を行い最終的な合意を得る必要があります。

診療計画とは、医師と患者間のルールを示したものであり、医師は診療計画に記載されている9項目を患者に説明する必要があります。

診療計画に記載されている項目は以下のとおりです。

  • オンライン診療で行われる具体的な診療内容(疾病名や治療内容等)
  • オンライン診療と直接の対面診療、検査の組み合わせに関する事項(頻度やタイミング等)
  • 診療時間に関する事項(予約制等)
  • オンライン診療の方法(使用する情報通信機器等)
  • オンライン診療を行わないと判断する条件と、条件に該当した場合に直接の対面診療に切り替える旨(情報通信環境の障がい等によりオンライン診療を行うことができなくなる場合を含む。)
  • 触診等ができないこと等により得られる情報が限られることを踏まえ、患者が診察に対し積極的に協力する必要がある旨
  • 急病急変時の対応方針(自らが対応できない疾患等の場合は、対応できる医療機関の明示)
  • 複数の医師がオンライン診療を実施する予定がある場合は、その医師の氏名及びどのような場合にどの医師がオンライン診療を行うかの明示
  • 情報漏洩等のリスクを踏まえて、セキュリティリスクに関する責任の範囲(責任分界点)及びそのとぎれがないこと等の明示

⑤本人確認

オンライン診療では、患者から医師に対して心身状態に関する情報を伝えるため、お互いが本人であると示す必要があります。

初診でオンライン診療を行う場合は、原則的に顔写真付きの身分証明書を医師と患者で提示することが求められます。

顔写真付きの身分証明書が用意できない場合は、適切な質問や全身観察などを組み合わせて、患者の本人確認を行うことが望ましいです。

⑥薬剤処方

医薬品は副作用のリスクを伴う可能性があるため、処方する際は効能や効果、副作用などのリスクを正確に判断しなければなりません。

オンライン診療の初診では、十分な医学的情報が得られない可能性があることから、処方できない医薬品があります。

初診からオンライン診療を行う場合や新たな疾患に対して医薬品を処方する場合は、一般社団法人日本医学会連合が作成した『オンライン診療の初診での投与について十分な検討が必要な薬剤』等の関係学会が定める診療ガイドラインを参考にすることが求められます。

また、医薬品を処方する際は、過量処方とならないように医師は自身の処方内容を確認し、薬剤師による再確認を行うことが基本です。

⑦診察方法

オンライン診療では、得られる情報に限りがあることから、医師は対面診療と同等の情報を得られるように努めなければなりません。

オンライン診療を実施している間、患者の心身状態について十分な情報が得られないと判断した場合は速やかに中止し、対面診療に移行する対応が求められます。


オンライン診療の導入手順

オンライン診療は単に導入すればよいというわけではなく、段階を踏んで進めることが大切です。ここでは、オンライン診療の導入手順を紹介します。

①オンライン診療システムを購入する

現在は、さまざまな機能を備えたシステムが各企業から販売されています。 

機能性に長けたものや初心者でも使いやすいものなど幅広いため、施設のニーズに合わせて選ぶことが大切です。

②通信機器の整備を行う

オンライン診療システムを適切に導入するためには、購入したシステムが動作する通信機器が必要です。

通信機器の整備を終えたあとは、カメラやマイクが正常に動作しているか確認を行い、オンライン診療を実施できる体制を整えます。

③地方厚生局へ届出を提出する

オンライン診療を始めるには、医療機関が所属する地方厚生局に届出を提出する必要があります。各種様式については、各厚生局のホームページでダウンロードすることが可能です。

④患者と診療計画書を作成する

患者の症状や疑われる疾患などを基に、オンライン診療の実施が適切か判断したうえで、共にオンライン診療計画書を作成します。

治療が必要または急変した患者は、オンライン診療で対応できない場合があるため注意が必要です。

⑤患者へシステムの案内をする

導入したオンライン診療システムを、患者のスマートフォンやタブレットにインストールします。

医療機関と患者、双方が適切に連携できていること、システムが正常に動作していることの確認が重要です。


まとめ

この記事では、オンライン診療について以下の内容で解説しました。

  • オンライン診療における初診の流れ
  • オンライン診療の導入手順

オンライン診療は、初診からでも実施することが可能です。

また、オンライン診療で得られる情報は限られているため、患者の心身状態を見極めたうえで実施の可否を判断する必要があります。

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また、導入後、実際にシステムを利用するにあたっては、色々な疑問点や相談事項も出てくることと思います。弊社は、専任のサポートデスクでお困りごとに対応するため、安心してご利用いただけます。

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