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オンライン診療で時間外加算はどうなる?算定要件や必要な届出

オンライン診療を適切に実施している医療施設では、診療報酬加算における時間外加算の算定要件を満たすことが可能です。

そのためには、厚生労働省が作成したオンライン診療のガイドラインに準拠した体制づくりや、施設基準の届出が不可欠です。

この記事では、オンライン診療における時間外加算の算定要件や必要な届出を詳しく紹介します。

※この記事は、2023年9月18日時点の情報を元に記載しています。


目次[非表示]

  1. 1.時間外加算とは
    1. 1.1.深夜加算との違い
    2. 1.2.休日加算との違い
  2. 2.オンライン診療でも時間外加算の算定は可能
    1. 2.1.初診・再診における時間外加算
    2. 2.2.深夜加算・休日加算とは区別される
  3. 3.オンライン診療で時間外加算を算定するためには届出が必要
    1. 3.1.①オンライン診療の適切な実施に関する指針を理解する
    2. 3.2.②オンライン診療を実施できる施設環境を整える
    3. 3.3.③地方厚生支局に施設基準の届出を提出する
  4. 4.まとめ


時間外加算とは

医療施設で表示している診療時間外に受診した場合、診療報酬点数上に時間外加算が加算されます。時間外加算は、深夜加算と休日加算とは区別されるものであり、それぞれ初診と再診で加算額が異なります。

診療を時間外として取り扱うルールについては、厚生労働省がまとめた『診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について p.8』で説明されています。

時間外加算は、各都道府県によって異なる医療施設の診療時間の実態や、患者の受診上の便宜などを考慮して取り扱われています

時間外加算が算定される標準の時間帯は、午前8時前と午後6時以降で、土曜日の場合は午前8時前と正午以降です(深夜・休日を除く) 。

ただし、これらの当該時間に診療を行っている医療施設では、その表示する診療時間以外は時間外加算として取り扱います。

深夜加算との違い

初診が深夜の時間帯で開始された場合、深夜加算として診療報酬点数上に加算されます。

深夜加算の当該時間は、午後10時から午後6時までです。ただし、夜間開業の保険医療施設で、通常の診療時間と深夜加算の当該時間が重複する場合には、深夜加算は認められません

休日加算との違い

休日加算とは、医療施設が通常の診療を休診している日において、緊急的に診療を行った場合に加算されるものです。

休日加算の対象となるのは、日曜日をはじめ、国民の祝日や年末年始(12月29日〜31日、1月2日〜3日)などです

オンライン診療でも、対面診療と同様に休日加算が適用されます。


オンライン診療でも時間外加算の算定は可能

時間外加算の算定は、ビデオ通話や電話などを通じて、オンライン上で診療した場合にも適用されます。ただし、FAXや電子メールなどの診療は時間外加算に含まれません。

厚生労働省がまとめた『第1章 基本診療料 第1部 初・再診料通則』の情報をもとに、オンライン診療での時間外加算の算出方法を紹介します。

初診・再診における時間外加算

厚生労働省が作成した『第1章 基本診療料 第1部 初・再診料通則』では、時間外加算の当該時間におけるオンライン診療の初診・再診では、50点を所定点数として時間外加算が算出されます。

9 別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関(診療所に限る。) が、午後6時(土曜日にあっては正午)から午前8時までの間(深夜及び休日を 除く。)、休日又は深夜であって、当該保険医療機関が表示する診療時間内の時 間において初診を行った場合は、夜間・早朝等加算として、50点を所定点数に加 算する。


出典:厚生労働省『第1章 基本診療料 第1部 初・再診料通則

ただし、診療の受付時間が時間外加算の当該時間であった場合のみ算出できます

例えば、時間外加算が午前8時前と午後6時以降の医療施設で、午後5時50分に受付対応をした場合、午後6時過ぎに診察や会計を行っても時間外加算は算出できません。

深夜加算・休日加算とは区別される

時間外加算は、深夜加算と休日加算が適用される場合には算出できません。また、時間外加算の特例措置や夜間・早朝加算などが適用される場合も除外されます


オンライン診療で時間外加算を算定するためには届出が必要

オンライン診療で時間外加算を算定するために、オンライン診療を実施できる施設基準を満たし、届出を提出する必要があります。

まずは、厚生労働省が策定した『オンライン診療の適切な実施に関する指針』の内容を理解したうえで、オンライン診療を実施できる施設環境を整えましょう。また、施設環境を整えたあとは、地方厚生支局への施設基準の届出も必要です。

上記の流れをわかりやすく解説していきます。

①オンライン診療の適切な実施に関する指針を理解する

時間外加算の算定は医療施設の売上に影響するため、厚生労働省が策定したガイドライン『オンライン診療の適切な実施に関する指針』に準拠し、オンライン診療の実施に向けて準備を進めましょう。

オンライン診療の適切な実施に関する指針』においてオンライン診療は、医師と患者が相互に信頼関係を構築し、双方合意のもとで実施される必要があるとされています。医師は医学的な観点からオンライン診療が適切かを判断し、場合によっては対面診療に切り替えなければなりません

オンライン診療が困難な症状や適さない症状に関しても、ガイドラインに準拠して判断し、適切な治療方針を定めることが求められます。

他にもオンライン診療の実施において不可欠な情報が『オンライン診療の適切な実施に関する指針』に記載されているため、医師と医療施設が必要な条件を満たしているかを必ず確認しましょう。

②オンライン診療を実施できる施設環境を整える

オンライン診療を医療施設で提供するにあたって、インターネット通信環境の整備と情報通信機器・専用システムの導入が必要です。

医師と患者がインターネットを通じて、ビデオ通話やチャットでコミュニケーションを取るため、接続が途切れない快適な通信環境を整えます

さらに、オンライン診療システムを利用するためのスマートフォン・タブレット・PCなどの情報通信機器も必要です。

オンライン診療の適切な実施に関する指針』では、個人情報及びプライバシー保護に配慮したシステムを選定し、情報漏洩や不正アクセス、データの改ざんなどのリスク対策も講じることが進められています。

オンライン診療計画を策定する際には、患者に対してセキュリティリスクを説明し、理解を得ることも必要です。

ITシステムの導入や操作に慣れていない医療施設では、ベンダーによるオンボーディングサポートが付帯するオンライン診療システムを選ぶことをおすすめします。

③地方厚生支局に施設基準の届出を提出する

オンライン診療を提供できる施設環境が整った場合は、以下の2種類の書類を作成し、地方厚生支局(厚生局)に提出します。

上記の書類は、オンライン診療のガイドラインに準拠した施設体制を有しているか、不正な届出をしていないかなどを確認するものであり、簡単に作成できます

施設基準の届出が受理された後、オンライン診療の時間外加算を適用可能となります。
診療報酬で優遇されるためにも、施設基準の届出の提出は必ず行いましょう。


まとめ

この記事では、オンライン診療の時間外加算について以下の内容で解説しました。

  • 時間外加算、深夜加算、休日加算の違い
  • オンライン診療における時間外加算の概要
  • オンライン診療で時間外加算を算定するために必要な届出

時間外加算は、医療機関が標榜する診療時間以外で、なおかつ深夜加算と休日加算の対象外となる時間帯に適用されるものです。

オンライン診療でも時間外加算の対象となりますが、厚生労働省が策定した『オンライン診療の適切な実施に関する指針』に準拠した施設体制を整える必要があります。

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