発熱のある患者に対するオンライン診療とは？適切な対処や服薬指導の注意点
オンライン診療で発熱やその他の症状がある患者に対応する場合、厚生労働省が策定したガイドラインを遵守し、医学的情報に基づいた適切な判断をしなければなりません。
発熱だけではなく、緊急を要する症状や重篤な症状がみられる場合には、オンライン診療以外の提案も臨機応変に行います。
この記事では、発熱のある患者に対するオンライン診療の重要ポイントや、ウイルス感染に留意した実施方法を紹介します。
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オンライン診療なら発熱で来院が困難な患者にも対応できる
オンライン診療とは、スマートフォン・タブレット・PCなどの情報通信機器を用いて、診察の予約から決済までをインターネット上で行う診察・治療方法です。
発熱があって来院するのが大変な患者への対応も可能であり、ビデオチャットを通じて症状や経緯について詳しくヒアリングを行います。
必要に応じて適切な診断や治療計画の提案を行いますが、発熱に加えて重篤な症状や緊急を要する際は、オンライン診療では対応できないこともあります。
オンライン診療のメリットや導入する流れについては、関連記事をご覧ください。
オンライン診療で発熱のある患者を対応する方法
オンライン診療では、厚生労働省が策定したガイドラインを遵守し、必要な環境を整えたうえで患者の対応をしなければなりません。
ここでは、発熱のある患者をオンライン診療で対応するにあたって、必要なことを解説します。
オンライン診療の適切な実施に関する指針を遵守する
厚生労働省は、オンライン診療のガイドラインとなる『オンライン診療の適切な実施に関する指針』を公表しています。
ガイドラインでは、オンライン診療の基本概念から実施に必要な事項、提供体制の要件などがまとめられています。以下は、ガイドラインにおいて特に重要なポイントです。
- オンライン診療研修の受講および修了証の取得が必要
- オンライン診療計画書の作成と患者の合意が必要
- かかりつけ医が対応し、患者の医学的情報が十分にある場合に初診可能
- 医師の所在は必ずしも所属する医療機関に限定されない
また、『オンライン診療の適切な実施に関する指針に関するQ＆A』が定期的に更新されているため、指針の動向や改訂された内容を把握しておくことが重要です。
オンライン診療に必要な環境を整える
医療機関では、オンライン診療に必要な情報通信機器（PC・スマートフォン・タブレットなど）を用意し、高速かつ安定したインターネット接続が必要です。
一般的にオンライン診療はビデオチャットで行われるため、Webカメラ・マイク・スピーカーなども必要に応じて揃えます。また、医療情報と患者の個人情報を適切に保護するためのセキュリティ対策を講じることも重要です。
データの暗号化やアクセス制御、適切な情報管理などの措置が重要となるため、これらの要件を満たすオンライン診療システムの導入を検討しましょう。
発熱があってもオンライン診療で対応できない症状
発熱のある患者でも、以下のような緊急性のある症状がみられる場合はオンライン診療の初診で対応できない可能性があります。
- 発熱を伴う腹痛
- 頚部痛や腰背部痛で発熱を伴う場合
- 四肢・関節痛で発熱や熱感、腫脹を伴う場合
- 発熱を伴う尿路症状（排尿困難 頻尿 失禁）
- 新型コロナウイルス感染症の重症化のリスク因子に該当する症状
- 術後の高度発熱がみられる場合など
患者の医学的情報から、医師はオンライン診療以外の選択肢として、対面診療や救急医療へ移行することを検討する必要があります。
オンライン服薬指導をする際の注意点
発熱のある患者に対し、オンライン服薬指導をする際の注意点を解説します。
①オンライン服薬指導のルールに従う
オンライン服薬指導は、厚生労働省が令和4年9月30日に公表した、『オンライン服薬指導の実施要領』を遵守して行います。
例えば、初診でも患者が求めた場合や異議がない場合には、薬剤師は薬局以外の場所からオンライン服薬指導をすることができます。
また、薬学的知識のみならず、情報通信機器やセキュリティに関する知識も要求されるため、薬剤師に対して特有の知識を習得させるための充実した研修の実施が必要です。
基礎疾患の情報が十分に把握できていない場合や、麻薬・向精神薬の処方に関しては、初診での処方を行わないこととされています。他にもオンライン服薬指導に関するさまざまなルールが設けられているため、必ず確認しましょう。
②電話や情報通信機器を用いた診療等に係る特例を考慮する
厚生労働省により、『電話や情報通信機器を用いた診療等に係る特例』が2023年7月31日をもって終了することが発表されました。
電話による初診・定期受診は、これまでコロナ禍における特例措置となっていましたが、今後の算定基準に含まれなくなります。
したがって、7月31日以降にオンライン診療を実施する全ての医療機関において、令和4年度診療報酬の算定要件に基づいた実施が必要です。
電話診療からの専門システムを活用したオンライン診療に切り替えたい方は、オンライン診療システム『YaDoc（ヤードック）』の導入に関する無料相談をぜひご検討ください。
まとめ
この記事では、発熱の患者に対するオンライン診療について以下の内容で解説しました。
- オンライン診療で発熱のある患者を対応する方法
- 発熱があってもオンライン診療に対応できない症例
- オンライン服薬指導をする際の注意点
オンライン診療は、厚生労働省が策定したガイドラインを遵守して実施するものであり、発熱のある患者の対応も可能です。
ただし、患者の医学的情報が不十分な場合や、重篤な症状がみられる場合などは、対面診療や救急医療の提案も柔軟に行います。
電話による診療の特例措置については、2023年7月31日をもって終了となるため、オンライン診療への切り替えを検討する必要があります。
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まずはオンライン診療の切り替えに関するお悩みから、お気軽にご相談ください。
